Der Steppenwolf

Der Steppenwolf Steppenwolf (Penguin Essentials) 荒野のおおかみ (新潮文庫)
Der Steppenwolf
Steppenwolf
荒野のおおかみ
左から、ドイツ語、英語訳、日本語訳
著者:Hermann Hesse
発表年:1927
オススメ度:★★★★★
読了日:2017.02.21、2018.01.26

あらすじ

自分を「荒野のおおかみ」と呼ぶ、中年のアウトサイダー、Harry Haller。
彼は、ひょんなことから、Hermineという女性と出会い、彼女から、ダンスを習い、仮面舞踏会に参加することになるが・・・

私の感想、レビュー

(一回目読了時、2017.02.21)

ヘルマン・ヘッセの代表作「荒野のおおかみ」。
これは、私の大好きな作品で、日本語で3回、英語で2回、そしてこの度初めて、原書のドイツ語で読みました。

相変わらず、何度読んでも飽きない最高の作品で、評価は、文句なしの星5点満点です!

メディアと癒着して、経済至上主義の洗脳を仕掛け、都合の悪い人間にはレッテルを貼り、同調圧力を利用して民衆をマインドコントロールし、戦争という金儲けをする支配層。

1927年発表の本作で、ヘッセが警鐘を鳴らしたことは、2017年現在の今でも、当てはまると思います。

また、次の文章が印象的でした。

Nun, aller höhere Humor fängt damit an, daß man die eigene Person nicht mehr ernst nimmt.

ちなみに、これが、私にとって4冊目のドイツ語のペーパーバックですが、最近、かなり読むスピードが速くなり、理解できる文章も増えて、とってもうれしいです!!

といっても、まだまだ、1ページに何十個も知らない単語が出てきて、辞書を引きながらでも、分からないことが多々あるのですが笑、確実に上達の実感があるので、この調子で、ドイツ語文学を楽しんでいきたいと思います!

私の感想、レビュー

(二回目読了時、2018.01.26)

約11カ月前に読んだこの作品、まだまだ、相変わらず辞書を引きながらですが、今回は、辞書を引きながらなら、8割以上は理解できて、かなり楽しめました!

上の前回のレビューでは、「まだまだ、1ページに何十個も知らない単語が出てきて、辞書を引きながらでも、分からないことが多々あるのですが笑」と書いていますが、今では、知らない単語は、1ページに10単語以下にまで減りました。

こうして、レビューを残しておくと、当時と今の実力を比べることが出来るのが良いですね。
また、前回から、これだけ上達したんだなあという実感を得られるのが、本当に嬉しいです♪

Wenn ein Mädchen du zu dir sagt und sie dir nicht zuwider ist, dann sagst du auch du zu ihr.

上は、ヘルミーネのセリフですが、SieとDuの、敬称と親称の使い分けについても、面白かったです。

Einsamkeit ist Unabhängigkeit, ich hatte sie mir gewünscht und mir erworben in langen Jahren. Sie war kalt, o ja, sie war aber auch still, wunderbar still und groß wie der kalte stille Raum, in dem die Sterne sich drehen.

Wir Unsterblichen lieben das Ernstnehmen nicht, wir lieben den Spaß. Der Ernst, mein Junge, ist eine Angelegenheit der Zeit; er entsteht, soviel will ich dir verraten, aus einer überschätzung der Zeit. Auch ich habe den Wert der Zeit einst überschätzt, darum wollte ich hundert Jahre alt werden. In der Ewigkeit aber, siehst du, gibt es keine Zeit; die Ewigkeit ist bloß ein Augenblick, gerade lange genug für einen Spaß.

Aber wenn du zu deinem Vergnügen erst die Erlaubnis anderer Leute brauchst, dann bist du wirklich ein armer Tropf.

ちなみに、原題は「Der Steppenwolf」で、この「steppen」というのは「荒野の」という意味のほかに、「タップダンスを踊る」という意味もあり、ハリーがダンスを習っていく過程も、そこにかけているのかなあ、なんて思いました。

あと、英語でも「dance to 〜's tune(〜のいいなりになる)」、日本語でも「〜に踊らされる」、といった表現がありますが、ドイツ語でこれに当たる表現は、「nach jds Pfeife tanzen」です。

これにかけて、多くの人が、支配層にとって都合の良い、社会の常識という洗脳のいいなりになり、それを流すメディアに踊らされているのに対し、「荒野のおおかみ」であるハリーは、負のレッテルを貼られながらも、独自の思想に基づいて生きている、そんな様子が描かれているのかなあ、とも思いました。

ヘルマン・ヘッセの代表作「荒野のおおかみ」、今回で、原書のドイツ語で読んだのは2回目で、その前に、日本語で3回、英語で2回、読んでいるので、今回で、計7回目になりますが、本当に何度読んでも飽きない、最高の小説です!